漢方薬で白髪の改善はできる? 白髪におすすめの漢方薬6選
目次
漢方薬は、通常の薬よりも体に良さそう…そんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。
なかには、「白髪の改善に漢方が良い」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
そこで今回は、漢方薬の特長や注意点、そして白髪改善に効果的な漢方薬を詳しくご紹介します。
漢方薬とは?
漢方薬が白髪ケアに良いかを考える前に、そもそも漢方薬とはどんなものなのかを見ていきましょう。
漢方薬とは
漢方薬とは、自然界に存在する植物や鉱物などの薬効となる「生薬(しょうやく)」を複数組み合わせて作られたものです。
日本の伝統医学・漢方医学の理論に基づいており、多くの医療現場でも用いられています。
漢方薬の特長
漢方薬の大きな特長は、自然の恵みによってつくられているという点。
そして、2種類以上の生薬から構成されている点です。
普段私たちが利用している西洋薬は、基本的にひとつの成分で構成されていて、ある症状に対して大きく作用します。
一方、漢方薬は複数の生薬から構成されているので、配合する組み合わせが変わると、それぞれの生薬が持つ力がよりプラスに働いたり、毒性を抑制したりして、有効性や安全性も変わっていきます。
そのため、ひとつの処方で、いくつかの症状に対応できることがあるのです。
また、私たちの体が持っている自然治癒力を高めたり、体質改善をサポートするために用いられたりするので、検査結果にはあらわれないような体の不調にも対応することができます。
漢方薬の注意点
自然の恵みを利用してはいますが、あくまでも「薬」であることには変わりありません。
そのため、漢方薬であっても副作用が起こる可能性があります。
もしも、何か違和感や、体に異変などを感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
漢方で白髪の改善はできる?タイプ別「白髪ケア」
それでは、今回のメインテーマである「漢方薬で白髪を改善する」という点についてご説明していきます。
白髪は髪を黒くするためのメラニン色素を十分に作り出せなくなるために生じ、その原因として加齢やストレス、生活習慣などが考えられています。
けれども、実は西洋医学の見地では、ハッキリした原因が特定されていないのが現状です。
白髪治療の特効薬がないのは、このためです。
そこで登場するのが、東洋医学の考え方、つまり漢方薬。
漢方では、体を「肝・心・脾・肺・腎」の5つの機能にわけて考えられています。
また、体質を6つに分類し、体質によって陥りやすい症状を見つけ出していきます。
漢方薬によって今の自分の体質を改善したり、体が本来持っている力を整えたり、最大限に発揮するサポートをしたりすることで、結果的に白髪ケアにつながる…ということなのです。
さまざまな考え方がありますが、白髪に悩む人は、大きくわけて次の3つのタイプに分けられます。
自分がどのタイプにあてはまるかチェックしてみてくださいね。
漢方薬で白髪ケア1:「腎虚」タイプ
ひとつめは、腎が弱っている「腎虚」タイプです。
漢方において「腎」というのは、泌尿器・生殖器・腎臓などの機能を指し、また、生まれながら持っている生命力を意味します。
わかりやすく言うと「腎虚」=「老化」ということになるのですが、生活習慣や体質によっては、若い年代の人にも腎虚の症状が見られることがあります。
さまざまな機能と密接に関わっているため、腎虚になると、体中に不調が生じるようになり、特に頭・耳・下半身にあらわれやすいようです。
白髪や抜け毛などのトラブルにも繋がっていきます。
あてはまるのは、こんな人
腎虚にあてはまるのは、次のような人です。
・白髪、抜け毛が気になる
・目が疲れやすい
・物忘れが激しい
・手足が冷えている
・頻尿、残尿感がある
・耳鳴りやめまいが頻繁に起こる
・肌が乾燥する
・足腰がだるい
当てはまる項目が多かった人、特に5つ以上チェックがついた人は、腎虚の可能性大です。
「黒い食材」を積極的に食べよう!
第一に、食事や生活習慣から見直しましょう。
腎虚に良いと言われているのが、「黒い食材」です。
黒米、黒豆、黒きくらげ、ひじき、昆布、しいたけなど、黒い色の食材が目印。
また、ネバネバした食べ物も良いとされています。
オクラやなめこなどもうまく食事に取り入れるようにしましょう。
もちろん、バランス良く食べることが重要です。
生活習慣で意識したいのは、積極的に体を動かして、足腰を鍛えること。
そして、体を冷やさないように気をつけて過ごしましょう。
おすすめの漢方薬
腎虚におすすめの漢方薬として、主に次の2つが挙げられます。
■八味地黄丸(ハチミジオウガン)
【商品価格】360錠:2,780円(税込)
【効果・効能】体を温め、体全体の機能低下などを改善
【配合生薬】地黄(ジオウ)、 山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子末(ブシマツ)
■牛車腎気丸(ゴスアジンキガン)
【商品価格】360錠:3,448円(税込)
【効果・効能】疲れやすい、手足が冷えやすく、トイレが近いなどの症状を改善
【配合生薬】地黄(ジオウ)、牛膝(ゴシツ)、山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、車前子(シャゼンシ)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子(ブシ)
漢方薬で白髪ケア2:「血虚」タイプ
二つ目は、血が不足している「血虚(けっきょ)」。
特に女性に多く見られるタイプです。
血液は体にとっての大切な栄養なので、血が不足していたり血流が悪かったりすると、体の隅々にまで栄養が行き渡りません。
その結果、貧血やしびれ、けいれん、肌の乾燥や白髪、抜け毛が増える傾向があります。
あてはまるのは、こんな人
血虚にあてはまるのは、次のような人です。
・顔色が悪い
・髪が痛みやすい
・爪が割れやすい
・肌にツヤがない
・集中力が続かない
・よく眠れない
・こむら返りがよく起きる
・月経の量が少ない
半分以上、心当たりがある人は少し気をつけたほうがいいかもしれません。
血液をしっかり作り出すための食べ物や生活習慣を意識しよう!
血虚は血液、つまり栄養が足りていないので、過度なダイエットや偏食はNGです。
できるだけ多くの種類の食品を少しずつ摂るように心がけることが大切。
鉄分が多い食材や血を補う食材を意識することがおすすめです。
プルーン、緑黄色野菜、レバーなどを食事に取り入れてみると良いでしょう。
また、しっかりと血を作り出すために、十分な睡眠や適度な運動も心がけるといいですよ。
おすすめの漢方薬
血虚におすすめの漢方薬は、次の2つです。
■四物湯(シモツトウ)
【商品価格】350錠:2,614円(税込)
【効果・効能】産後や流産後の疲労回復、月経不順、貧血の改善
【配合生薬】地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、 川芎(センキュウ)、 当帰(トウキ)
■当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
【商品価格】180錠:2,017円(税込)
【効果・効能】足腰の冷え、女性特有の悩みを改善
【配合生薬】当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、芍薬(シャクヤク)、茯苓(ブクリョウ)、蒼朮(ソウジュツ)もしくは白朮(ビャクジュツ)、沢瀉(タクシャ)
漢方薬で白髪ケア3:「気虚」タイプ
三つ目に考えられるのは、「気虚(ききょ)」タイプ。
体の中を循環している気(=生命を維持して支えるエネルギー)が不足した状態を意味します。
通常、健康な状態であれば、多少疲れたとしても食事や睡眠で気は回復するものです。
けれども、気虚の傾向にある人は、いつまでも疲れが取れなかったり、常に倦怠感がある状態が続いたりします。
生命のエネルギーが不足しているので、体中に栄養が巡らず、結果的に白髪や抜け毛につながるのです。
あてはまるのは、こんな人
気虚の傾向がある人は、次のようなタイプです。
・疲れやすい
・なんとなくやる気が出ない
・食欲がない
・顔色が悪い
・常にだるさを感じる
・胃もたれしやすい
・下痢気味
・風邪をひきやすい
いくつ当てはまったでしょうか?
半分以上あった人は、食事や生活習慣を見直すチャンスかも!
胃に負担をかけない食事と適度な休息を!
気虚の人は、朝食をしっかりと摂って、一日のスタートを切ることが大切。
ただし、あまり胃に負担がかかりすぎるものや食べ過ぎは禁物です。
生ものや脂っこい食事は控えて、消化が良いと言われているものを意識的に食べるようにしましょう。
また、過労や睡眠不足は、気を消耗させます。
しっかりと休息をとって、パワーチャージすることがとても大切。
運動も大切ですが、あまりハードな内容だと逆効果になる場合もあります。
自分のペースでウォーキングする、ヨガをするなど、ゆるやかに筋力を使うものがおすすめです。
おすすめの漢方薬
気虚の人におすすめの漢方薬は、次の2つです。
■補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
【商品価格】45包:3,528円(税込)
【効果・効能】胃腸の消化、吸収を高め、病気に対する抵抗力を高める/気を上の方に動かして巡らせる
【配合生薬】人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)もしくは白朮(ビャクジュツ)、黄耆(オウギ)、当帰(トウキ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、升麻(ショウマ)
■十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)
【商品価格】350錠:2,930円(税込)
【効果・効能】疲労倦怠、食欲不振、貧血、冷えの改善
【配合生薬】黄耆(オウギ)、桂皮(ケイヒ)、 地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)もしくは白朮(ビャクジュツ)、川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、 甘草(カンゾウ)
漢方薬で白髪の改善をするなら医師や薬剤師にまず相談!
いかがでしたか?
「漢方薬っていいな」と感じた人もいるのではないでしょうか。
なお、漢方薬には医師が処方するタイプと、ドラッグストアなどで購入できるタイプがあります。
後者は、処方箋がなくても誰でも手軽に手に入るため、便利な半面、自分にあったものを選ぶことが難しい、複数を併用することで生薬を過剰に摂取してしまうといった可能性も。
繰り返しになりますが、漢方薬は自然由来とはいえ薬の一種です。
副作用が起こることも考えられます。
医師や薬剤師、登録販売者からよく説明を受けて、しっかりと理解してから使うようにしましょう。
漢方薬を上手に取り入れて、白髪ケアに活かしませんか?
<参照サイト>
漢方セラピー(クラシエ)http://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/
ツムラ https://www.tsumura.co.jp/kampo/
健康お役立ち情報(大正製薬ダイレクト) https://www.taisho-direct.jp/simages/contents/youwome/2018/67/
NIHONDO https://www.nihondo.co.jp/kampo/consultation/